2018年7月の、中国地方の深刻な被害に、心よりお見舞い申し上げます。
その渦中、7年がかりのプロジェクトであった近松門左衛門作「出世景清」復曲上演が、山口県立劇場ルネッサながとで実施。企画スタートは東日本大震災のあった2011年。上演当日の数日前より豪雨で被害甚大の状況下での上演という複雑な思いが交錯。
7月8日の上演を控え、6日に現地へ入り、7日に通し稽古という日程は、移動手段が運休となり大幅に変更を余儀なくされる。
出演者、スタッフほとんどの皆さんは大阪圏在住。出発する6日の早朝、新幹線が運休。運行気配はなく、バスチャーターに切り替えを検討するも、ことごとく各社に断られる。大阪から東京羽田を経由し、山口宇部空港へのルートは確保できるが、当日買いの飛行機では数百万という膨大な経費が嵩む。中止という言葉も脳裏をかすめる。いくつか策を練りフェリーで大阪から門司港まで。その後陸路で長門市へという選択肢を採用。各位に自宅待機をお願い、ようやく海路切符を確保。門司港までは順調、通行止めであった関門橋も一時開通し、午前8時半、劇場にようやく到着。
東京からのスタッフ・出演者は、山口宇部空港の視界不良により到着地変更ではなく最悪は羽田に引き返すという前提で出発。滑走路が見えたのは着陸寸前という運の良さ。
慣れない海路での移動に寝不足のかたも多く、朝食を取り、すぐ通し稽古の準備。翌日の本番を気持ちよく迎えて頂くための予定時刻変更。舞台のお浄めも済ませ、予定を早めて11時から通し稽古。
しかし、まだ未着の出演者スタッフもいて、稽古は代演で行い無事終了。その後、8日13時開演までに全員が揃ったのは15時間前。
本番までいろいろありましたが、無事幕が開き、無事幕が降りました。
関係者各位、ご来場頂いたお客様、すべての皆様にただただ感謝。ありがとうございました。
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毎日新聞取材映像
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